2012年4月25日水曜日

もう、家に帰ろう2




もう、家に帰ろう2(藤代 冥砂)

カメラマンの作者が、

モデルである妻の毎日を撮影した写真集の続編。



前作を読んだ時に「まるでおとぎ話のようだ」と

感じたことを思い出した。


前回は2人だけの世界だった夫妻に、

今回は赤ちゃんが生まれる。

赤ん坊という、とてもリアルな、生々しい存在が入ってくることによって

2人だけのおとぎ話の世界を壊す。

赤ちゃんというのはそれぐらいすごいパワーがある。



しかし、赤ちゃんはやがて少年へと成長していって

いつのまにかおとぎ話の登場人物の1人として落ち着くのだ。



作者は、自身の幸福な生活に対して

賛美、感謝、そしておそらく「畏れ」を持って、

一瞬一瞬の家族の表情を切り取っている。

だから何気ない一枚にもちゃんと物語を感じられる。



この家族の物語の続きを、私はまた見たいと思った。




教訓:本当は「家」ではなく「人」に帰っていく。