それからはスープのことばかり考えて暮らした
(吉田 篤弘)
タイトルが印象的な物語は、大抵内容も面白い気がする。
もちろんタイトルがイマイチでも面白い物語もあるけれど、
この物語のタイトルは、個人的にとびきりセンスがいいと思った。
もちろん内容も面白かった。
主人公はふとしたきっかけで新しい街に住みはじめ、
そこで素敵なサンドイッチのお店「トロワ」を見つける。
そしてそこで働き始めることになるが・・・・。
暮らしの手帖の広告で見つけたこの本を、私はなぜか最初に
エッセイ(ノンフィクション)と勘違いして読みはじめた
途中でそうでないことに気づいたのだけれど。
それくらいこの本に出てくる街は本当にありそうに思える、
けれど同時におとぎ話のようにファンタジックでもある。
サラサラとした文章で、それこそスープのようのごくりごくりと読みやすい。
ストーリーも、まるで爽やかな夢のように不思議で素敵だ。
物語の中に、映画が重要なキーワードとして出てくるのだが
この物語自体を映画にしたら、絶対素敵な映画になると思った。
それくらい絵になる場面の多い物語だ。
教訓:スープのお話だけど、本当はラブストーリー?