小説とは「言葉の集合体」であるはずなのに
この小説を上手く表す言葉が見つけられない。
亡くなった伯母の遺品を整理する女性
本の中に出てくる女性に魅入られたホテルのクローク係
車が一台も無い遊園地の駐車場での話など全7編
懐かしくて、でも斬新で、使われている言葉がどれも美しい。
途方も無い異世界の話のようであるのに、
すぐ隣で起こっている物語のようでもある。
一話ずつの文章はどれも断片的で短い。
すべてバラバラの物語のようで、
不思議とみんな繋がっている。
「なぜこの部分を切り取って物語にしたのか?」
最初はそう思うのだが、読んでいるうちにそんなことは忘れる。
この小説は掴みどころが無い。
でも読んでいるといつの間にか、見たことも想像したこともない
真っ白で、遥か遠い世界へと連れて行かれている。
その世界の美しさにくらくらしながら読み終える。
教訓:言葉の力でトリップしたい人は、是非読んでみて欲しい
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