2013年12月12日木曜日

バイバイ、ブラックバード





本の感想を書きます!

バイバイ、ブラックバード(伊坂 幸太郎)

どうにもならない事情から

『あのバス』に乗せられることになった星野は

監視役の繭美とともに、付き合っていた5人の女性達に

別れをつげに行くのだが・・・。



連作短編の小説が好きだ。

集中力が長続きしない性格で、しかも本を読むペースが遅い。

そんな私には連作短編がとても読みやすいのだ。

個人的に筆者は連作短編の名手だ!と思う。

ちょっとした何でも無いエピソードを

最後に見事に繋いでみせる手腕は素晴らしい。

読んでいて爽快な気分になる。



主人公星野は、これといった個性の無い人物。

対照的に繭美は非常にアクの強い人物として描かれている。

二人の軽妙なやりとりは読んでいて面白いけど、

心に深く残るわけではなく、あくまでサラリとしている。

何か物凄い事件が起こるわけでもない

映画のようにドラマティックな展開があるわけでもない

それなのに物語の終盤になるころには

いつの間にかこの二人に愛着を感じている自分がいる。



終わり方もいい。決してセンチメンタルじゃなく、甘すぎない。

でも心に少し温かい気持ちが残る。

そのさりげなさが丁度いいのだと思う。



教訓:人生って捨てたもんじゃないな、となんとなく思わせてくれる。




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