バイバイ、ブラックバード(伊坂 幸太郎)
どうにもならない事情から
『あのバス』に乗せられることになった星野は
監視役の繭美とともに、付き合っていた5人の女性達に
別れをつげに行くのだが・・・。
連作短編の小説が好きだ。
集中力が長続きしない性格で、しかも本を読むペースが遅い。
そんな私には連作短編がとても読みやすいのだ。
個人的に筆者は連作短編の名手だ!と思う。
ちょっとした何でも無いエピソードを
最後に見事に繋いでみせる手腕は素晴らしい。
読んでいて爽快な気分になる。
主人公星野は、これといった個性の無い人物。
対照的に繭美は非常にアクの強い人物として描かれている。
二人の軽妙なやりとりは読んでいて面白いけど、
心に深く残るわけではなく、あくまでサラリとしている。
何か物凄い事件が起こるわけでもない
映画のようにドラマティックな展開があるわけでもない
それなのに物語の終盤になるころには
いつの間にかこの二人に愛着を感じている自分がいる。
終わり方もいい。決してセンチメンタルじゃなく、甘すぎない。
でも心に少し温かい気持ちが残る。
そのさりげなさが丁度いいのだと思う。
教訓:人生って捨てたもんじゃないな、となんとなく思わせてくれる。
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