なにごともなく、晴天。 (吉田 篤弘)
本の感想を書きます。
本の感想はいつだってうまくまとめられた事がありませんが
この本は更にうまく感想をまとまられそうにありません。
不思議に掴みどころのない物語だからです。
でもこのブログに載せている本は
全部私が心底「面白い!」と思った本だけで
だから全部お勧めです。良かったら参考に。
学生時代からの友人サキや、喫茶店の姉さん
雇い主のむつ子さんらに囲まれ
高架下にある古道具屋(?)に
住み込みで働く「私」こと美子。
ある日、銭湯で不思議な人物と出会って・・・。
この本にドラマティックな急展開はない。
ただおだやかにゆるやかに物語は進んでいく。
そのおだやかな言葉の流れが心地よくて
身を任せていると、終盤で突然打ちのめされた。
「泣く。」という章なのだが、名前どおりに泣きたくなった。
と言っても安っぽいお涙頂戴ではない。
やわらかくやさしく、突然私は打ちのめされ
そして泣きたくなったのだ。
まるでおとぎ話のように浮遊感があるのに
ふとした日常の描写はとてもリアル。
読者はこの本を通じて、作者の作り出す
めまいがするほど美しい言葉の世界の住人になれる。
教訓:ベーコン醤油ライスが食べたい。
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