百瀬、こっちを向いて。 (祥伝社文庫)
(中田 永一)
私は、学校や会社などのコミュニティで
中心人物=「真ん中に立つ人」に絶対になれない。
昔はそう思い込んでいた。
社会全体が壮大なドラマだとしたら
私は間違いなく脇役だと。
そんな考えだから昔は一般的な恋愛小説は胡散臭く感じて
あまり読む気にはなれなかった。
大人になって、この世界では「真ん中に立っていない人」の方が
圧倒的に多いのだと気付いた。
むしろそういう脇にいる人が、この社会の主人公なのだと。
中田永一さんの作品の主人公も、
社会の隅っこで大人しく生きている人たちばかりだ。
自分は脇役でいいのだと、目立たないように過ごしている。
この小説はそんな人たちの、少し変わっていて
でもとびきり素敵な恋の話を集めた短編集だ。
ちっともかっこつけてなくて、少々奇妙だけど
読んでいて面白いし、応援したくなる。
教訓:普通(?)の恋愛小説が苦手な人にもおすすめしたい一冊。
ブログ村ランキング参加してます。
よろしければクリックお願いします!
0 件のコメント:
コメントを投稿