2015年7月10日金曜日

ソラシド

久々に本の感想書きます。

ソラシド」 (吉田篤弘)





ざっくりとしたあらすじ:

小説家の主人公はふとしたきっかけから

自分の青春時代に存在した「ソラシド」という

女性音楽デュオの事を調べ始める。

時代を遡り自分の歴史を振り返りながら

やがて彼の中の「ソラシド」は独自の物語を紡ぎだし・・・



とにかく吉田篤弘さんの魅力に私は完敗だ。

最近本の感想を書いてませんでしたが、

その間も沢山本を読んでいて、中でも吉田作品は

もうかなりの割合で読んでいます。

どの物語も、シンプルで美しい。

そしておとぎ話のようなのに、とてもリアル。

読んでいる内にトリップして抜け出せなくなる。



個人的には物語の一番最後がうまく解釈できなかった。

もちろん読者それぞれの受け止め方があるのだろうけど

だから時間が経ったらぜひ再読したいと思う。



また吉田篤弘さんの物語には、レコードが沢山出てくる。

特にこの物語にはレコードとして名曲の数々が出てくる

私は音楽に疎いので、その名曲達は

ただの記号に過ぎなかったのだが、

途中から思い立ってネットでタイトルを検索して聴いてみた

音楽を聴きながら、その音楽について書かれた物語を読む

それはとても不思議な経験だった。



教訓:はじまりからおわりまで独特の世界。
 
    一本の上質な映画を見ているような気持になる。


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