2018年1月18日木曜日

絶叫委員会(読書感想)

絶叫委員会 (ちくま文庫) (穗村弘)




歌人である作者が出会った「印象的な言葉たち」を集め、それにまつわるエッセイを書いた一冊。
「印象的な言葉たち」と言っても、一般的なそれとは違う。けっして奇をてらった物ではなくともすれば聞き逃してしまいそうな些細な言葉であったりする。
しかし文章を巧みに操る作者はその「言葉たち」に独特のつっこみを入れることによって、いつのまにか読者を彼自身のパラレルワールドへ引き込むのだ。

特に私の印象に残ったのは「OS」という章。
根本的な価値観が時代にそぐわない人のことを、「OSが古い」と表現している。
(今ではOSという言葉自体、一般的には使わないかも知れないけれども・・・)
それ、わかるなあ。と一人で納得してしまった。
会社や街ですごくたまに見かける、価値観が古すぎる人達。彼らに「今はそういうことをしてはダメ」とか言っても、もはや話はちっとも通じない。
「OSが古いから」
すごくぴったりな言葉だと感心してしまった。

2010年出版なので少し昔の本ですが、どこかで見つけてぜひ読んでみて下さい。

教訓:文章のうまい人、言葉を味方につけた人は何を題材に書いても面白い。


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