2016年10月17日月曜日

台所のラジオ(読書感想)

台所のラジオ (吉田篤弘)

台所のラジオを通じて、様々な人々が美しい文章で

空想の世界を駆けぬける連作短編集。

まったくバラバラな登場人物達は

ひょっとしたらどこかに接点があるのかも?

と思えてそれがドキドキもする。



「1.5歩先の異世界」

筆者の作品はいつもありえないほどのリアルと

途方もないファンタジーを同時に抱えている。

一見矛盾しているようでこの作品の中では共存している。



「抜き打ち捜査官」「女優洗浄機」「真夜中のビフテキ屋」

(夜のステーキ屋は筆者の他作品にも登場していた気がする)

物語に出てくるのはどれもが荒唐無稽で非現実的なのに、

なぜなのか現実にありそうな気もする。

なぜならこの小説の世界は、自分から遠く離れた「異世界」ではなく

自分の普段の世界から、1.5歩くらい離れた「日常」に思えるからだ。



読んでいる内に心地よい浮遊感にくらくらしながら

いつの間にか読み終わってしまった。



教訓:早く次の異世界に行きたい。新作も期待します。


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