2015年11月9日月曜日

レインコートを着た犬

本の感想を書きます。

レインコートを着た犬」(吉田篤弘)


※画像が表示されない場合があります。



作者の小説によく登場していた

架空の町「月舟町」シリーズの最終巻。

これまでいろいろな作品でこの町のお話を読んでいたので

最終巻と聞いて、読む前から『寂しい』気持ちだった。

たまにしか顔を合わさないけど仲のいい友人が

遠くへ行ってしまうような、そんな『寂しい』気持ち。



あらすじ

月舟シネマのマスター直さんと暮らす、犬のジャンゴ。

彼の視点で月舟町の人々の姿を描いている。

穏やかに見える町にも少しずつ変化があって・・・・。



ジャンゴはとても慎み深く、そしてとびきりキュートな犬だ。

彼は町の人々への温かい気持ちを胸の奥に持っている。

もちろん犬だからなかなか言葉には出来ないけれど・・・



町の人々の何気ない日常、小さな不安や行き詰まり

そしてささやかだけれど美しい幸せ。

この何でもない日々を見つめていると、

私もジャンゴと同じように、この町の人々が愛おしくなる。



この町の人々、そしてこの小さくキュートなジャンゴと

お別れするのがイヤで、少しずつ読んでいたけれど

とうとう読み終わってしまった。

物語の最後は、町の人々が厳しい現実に対して

凛々しく、でもどこかふんわりと力も抜いて、立ち向かって行く。

ハッピーエンドとはまた違うかもしれないけど

読み終わった後は、すがすがしい気持ちになった。

そしていつの間にか『寂しい』気持ちは消えていた。



教訓:いつかまたこの町の人々に会えるような気がする・・・

    確信はないけれど。ぜひまた会いたいです。


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